愛の療法
思わず泣き出す私の肩に手を置いて優しく先生は言う。
「これで気付いたでしょう?啓介くんが結衣さんにとってどれだけ大切な存在なのか・・・。」
「はい・・・。」


私達は微笑む。
啓介も私達の顔を見ながら楽しそうに笑っていた。
まるで家族のように・・・。




「でも・・・本当は僕にもあなたを責める資格なんてないんです。」
バツの悪そうに先生が言った。
「僕だってあのときずっと結衣さんと一緒にいたんですから・・・。僕にも責任はあるんです。」


どこまでも優しい先生に私はまた見とれていた。
だけど・・・愛し方は今までの私とは違う。
もっと人を大切に、自分の恋が叶うことよりもずっと幸せに3人で笑えていることを望む。そんな愛し方でいたい・・・・。


私はいつしかそう思うようになっていた。
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