愛の療法
「先生っ・・・・・!!」
私は後ろから先生に抱きついていた。

突然の私の行動に先生は驚いて首を回した。
「結衣さん・・・!?」


私はそれでもずっと先生の背中にしがみついていた。
「何やってるんですか・・・?啓介くんが見て・・・っ」
私はその言葉を無視して強くずっと抱きしめていた。



「先生・・・私・・・っ」
そう言って顔を上げると先生が私を抱き寄せた。
「必死で我慢してるのに・・・そんなこと言わないでくださいよ・・・っ」
先生は私を優しく包んでくれた。


私達は今まで我慢していた気持ちが溢れ出したかのように強く強く抱き合った。


「せ・・・んせいっ・・・」
自然と涙が流れていく。


そしてどちらとも言わず唇を合わせた。
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