愛の療法

いつもよりあまりに酷い症状に涙を流しながら私は診察室へ入るなり叫んだ。
「先生っ！！啓介が発作を起こして・・・っ！！！」

先生は急いで手当てをしたが、なかなか発作はとまらず私は泣き続けていた。
「結衣さん・・・発作がでてすぐ連れてきたんですか？」
「いえ・・・夜中に発作がでてたんですけど・・・対したことないからっ・・・って・・・ほっといたんです・・・。」


私は震えながらそれだけ言った。

「そうですか・・・。」
先生の眼鏡の奥の瞳が一瞬私を睨んだような気がして私はうつむいた。




先生は私を待合室に残したまま、静かに診察室へ戻っていった。










「私・・・どうしたらいいの・・・・？」
つぶやいてみても誰も答えてはくれない。
涙を流しても誰も拭ってはくれない。


あの日の先生の笑顔が浮かんでくるだけだった。