愛の療法
「え・・・っ。」
驚く私に先生は微笑んだ。
私はドキドキ言う心臓を抑えながら啓介のいる病室へ戻った。


私達は病室のドアを開けると啓介に見られないようにすぐ手を離した。
「ママー何の話してたの?」
啓介が不思議そうに聞いた。

私が困っていると代わりに先生が答えてくれた。
「啓介くん。これからは苦しくなったときにいつでもお母さんが駆けつけてこれるようにするからね。」


そう言うと啓介は嬉しそうに笑った。




私達はこんなに近くにいるのに『家族』にはなれないんだね・・・・?









そう思うと悲しく笑うしかなかった。
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