愛の療法
次の日、私はまたいつものように啓介のお見舞いに行った。

「啓介ー最近発作でてない?」
私がそう聞くと啓介は笑ってうなずいた。

「今日も来てくださったんですか。」
後ろから先生の声がした。


その瞬間・・・私の胸は騒ぎ出すんだ。


優しく微笑む先生の瞳の奥に頬を赤く染めた私がいる。
それだけで私は幸せを感じれるんだ・・・。
たったこれだけのことなのに。





これが大人の恋ってやつなんだね・・・・?
若いときみたいに相手のことも考えずに想いを伝えればいいってもんじゃない。
相手のことを考えて好きだからこそ・・・想いをこらえて・・・・


切ないよ・・・・でもこうでもしなきゃ先生のそばにいられなくなっちゃう・・・・





私はこんなに悲しい恋があることを初めて知った。




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