愛の療法
あまりに突然で私は思わず先生の腕を握ってしまっていた。
「あっ・・・ごめんなさっ・・・!!」
私が焦って手を離そうとすると先生が優しくその手をとった。


私の心臓はうるさいくらいにドキドキいいだす。


それを誤魔化すかのように私は目を背けて言った。
「あの・・・話は・・?」

それだけやっと言うと私はうつむいていた。


「結衣さん・・・今日は啓介くんの話じゃなくて・・・僕と結衣さんの話なんです。」


「え・・・っ!?」
それを聞いた瞬間私の心の中が一気に明るくなったようだった。


そして顔を上げると先生の真剣なまなざしと私の視線が重なった。

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