愛の療法
そして啓介が寝静まった後、私達は2人っきりで話をしていた。

啓介の寝顔を見て先生が微笑む。
「可愛い・・・寝顔ですね。僕が・・・ちゃんと啓介くんの笑顔を守りますから・・・。」
「はい・・・。」


先生と私はこれからのことについて話を始めた。
そう。私達の未来のことを――・・・。



「僕は啓介くんが退院したら籍を入れるつもりです。」
「はい。」
「そしたら僕はここの病院を辞めます。」

「・・・えっ!?なんでですかっ!?」

「啓介くんの喘息はこんな都会にいてはなかなか治らないと思うんです。父親として啓介くんのこと考えたら空気の良い田舎で暮らした方がいいと思って・・・。」


「う・・・そっ・・・。」


そこまで啓介のこと考えてくれてたなんて・・・・。




私は思わず泣き出していた。



< 58 / 85 >

この作品をシェア

pagetop