愛の療法
「えっ・・・!?嫌・・・でしたか!?」
先生は焦って私の顔を不安そうに覗き込んできた。


「違うんです・・・嬉しくて・・・私最近泣いてばっかりですよね・・・すいません・・・。」

そう言うと先生は私を大きな腕で抱きしめてくれた。


それだけで私は胸が高鳴る。


「それで僕・・・そこで自分の病院を作ろうと思うんです。小さな小児科を。昔からの夢なんです。こんな目が悪い僕じゃ無理かもしれないですけど。」

そう言って恥ずかしそうに夢を語っている先生が可愛くて、私は思わず微笑んだ。



私達はしばらく抱き合ったまま未来のことについて話し続けた・・・。





私の胸にはこのとき・・・期待と幸せしかなかった。




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