愛の療法
「おはようございます。」
私はそう言って病室のドアを開けた。


すると先生がベッドのそばで顔を覆って座り込んでいた。

「先生・・・どうしたんですかっ!?」
私が聞いても返事がない。


「先生っ!?」
大きな声で何度も呼ぶと先生はゆっくりと立ち上がり、切ない表情をした。
それは昨日と同じ遠い目をしていた。


「あの・・・やっぱり何か・・・。」

私がそう言いかけると先生は私の言葉を遮って言った。
「お話があります。」




そう言う先生の目には決意の表情が浮かんでいた。


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