愛の療法
「え・・・・?」

私は信じられなかった。
ついこの間まで愛を誓って笑い合っていたのに。


「嘘・・・ですよね?」

私がそう聞いても先生はうつむいたまま首を振るだけだった。



「一方的ですいません・・・。でももう・・・無理なんです。僕のことは忘れてください。」


「そんな・・・・。」

私の目からは涙がこぼれた。



ねえ先生・・・・私のこと嫌いになったんなら辛そうな表情しないで・・・
そんな顔されたら・・・私忘れられなくなっちゃう・・・・。



「わ・・・わかりましたっ・・・。」
断ることなんてできない。別れるしかないんだ。
この人が好きだから・・・別れるんだ。


「啓介には私から言っておきますねっ・・!!」
そう言うと私は無理に笑って部屋を出た。




部屋を出る瞬間、先生が苦しそうに拳を握り締めているのが見えた。
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