愛の療法
さよなら
それから啓介はこの病院から退院した。
そして逃げるように田舎へ引っ越した。



「ほんとだったら・・・3人で来るはずだったのに・・・ごめんね。パパいなくて。」
私がそう言うと啓介は私の手を握った。


「いいよ。先生が悪いんだ。ママのこと裏切ったから。」
啓介はそう言って私に甘えた。

「違うのよ。先生は何も悪くないんだよ・・・。」

私は啓介に言っていたんじゃなくて自分に言い聞かせていたのかもしれない。
きっとそう思い込みたかったのだろう。



ごめんね啓介・・・これからは私が啓介を守ってみせるから・・・・。
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