愛の療法
それから昨日と同じ診察室に入ってたくさんの話を聞いた。

他にも喘息になっている子供はたくさんいるってこと・・・発作したときの対処法や・・処方している薬のことまで・・・・。

そのおかげで私はだいぶ安心することができた。


「ほんとにありがとうございました・・・。だいぶ落ち着きました。本当は・・・私が不安だったのかもしれませんね・・・。」

私がそう言うと先生はまた優しく笑うとそう言った。


「そういうときもありますよ。女手一つで育てるなんて・・・頼りにできる人もいなくて大変だと思います。」


私は誰かにわかってほしかったのかもしれない・・・・。


石井先生の優しい言葉を聞くと一気に涙が溢れてきた。
そんな私を見て啓介は不思議そうにしている。

「母さん?どうしたの?」
啓介はさっきからずっと石井先生の足につかまっている。


「大丈夫ですよ。心配しなくても僕も一緒に2人で啓介くんの病気に向き合っていきましょう。」


私は優しい石井先生の言葉に心を打たれてずっと泣いていた。
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