愛の療法
先生は優しい笑顔になって涙をこぼした。



「ずっと・・・待ってました。」
私の目からも涙が流れ落ちた。




するとそこで啓介が突然驚いたように言った。
「先生!この杖何?」



え・・・?杖?




私が啓介の指差すほうを見ると、先生は手に白い杖を握っていた。




「先生・・・もしかして・・・?」
「はい・・・。僕はもうほとんど目が見えないんです。」
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