形振り構わず愛をくれ!
第壱話


「おい、ヒナ鳥!これは、一体どう言う了見だ!?」

「どう言う了見って言われても……」

言い逃れは出来まいとばかりに、眼前に突きつけられた証拠物件たちに、私は溜め息を禁じ得ない。


「ただのプリクラですけど?」

「男と写っているではないか!!」

「はぁ…」

その口から飛び出してくる突拍子も無い言葉に、思わず気の抜けた返事をしてしまう。


「これは浮気だ!立派な不純異性行為だ!!この、ふしだら者めッ!」

「まぁまぁ、若。その辺で」

ますます怒りをヒートアップさせていく若をなだめるように、苑条さんが救いの手を差し入れてくれる。

「ひな子ちゃんにも、付き合いと言うものがありますし……」

全くもって、その通りだと思う。


「黙れエンジョウ!お前みたいな日本一手の早い男がフォローに入ったところで、何の役にも立たん!!」

「………」

しかし、すっかり怒り心頭な様子の若は、そんな苑条さんの進言にも、全く耳を貸さない。

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