形振り構わず愛をくれ!
「黙れ。私はヒナ鳥に聞いているんだ!答えろヒナ鳥。お前は、私以外の男と時間を共にしたんだな?」
どう弁解してみたところで、そんな問われ方をされたのでは、言い逃れのしようもない。
「……はい…」
覚悟を決め、恐る恐る頷くと、若はついに何かに堪え切れなくなったように怒鳴り散らした。
「この、不届き者め!私と言う婚約者がありながら、他の男と逢い引きをするなど言語道断!!──エンジョウ!」
「はい」
「今日から2週間、如月ひな子はインフルエンザにかかる!!学校にもその旨をよく伝えておけ!」
「かしこまりました」
「え…!?ちょ、ちょっと待っ……」
本人を置き去りにして進められる話に、慌てて立ち上がると、私より頭一個分身長が高い若の視線が、抜け目なくスカートの丈にいく。
「な、何だ!?その短さは!!」
「え…っ…」
逆に、何でそんなに狼狽するのかと言うほど顔を真っ赤にした若が、私の制服のスカートを指差してわななく。