形振り構わず愛をくれ!
「ふざけるな!誰がヒナ鳥ごときにうつつを抜かすか!!それに、私がヒナ鳥を好きなのではない!ヒナ鳥が、私を好きで好きで止まないのだ…!!」
「え……」
眼前に指を突き立てられ、さも当然だと言わんばかりに詰め寄られる。
「さあ、好きだと言え!その口は何のためについてるんだ!?待たせるな!好きだと言え!!」
「す、好き…です……」
その気迫に圧倒されながらも、辿々しくそれを口にすると、若は満足そうに頷く。
「そうだろうとも!これでわかったか、苑条!?惚れているのはヒナ鳥の方なのだ!!」
「はあ、ご立派で」
完全に小バカにした口調なのにも関わらず、すっかりのぼせあがっている若は、その事に気付かない。
人一倍プライドが高い若は、相手よりも自分の気持ちの方が強いのだと言う事実を突きつけられると、許せなくなる性質(たち)なのだ。