いじめ―裏切りの連続―
第二章
「ハァ・・・ハァ・・・」
とっさに教室を出て行ったあたしは、特にいく所もなくて、屋上に来た。
ヤバい…かも…。あたし…ほんとどうしよう…。
アズちゃんの事…助けてあげられなかったや…
アズちゃんのあの顔が、離れない。あたしに「助けて!」と訴えていたあの目も、頭から離れない…
どうすればいいの?あたし…。
『どうすればいいの?え?なんで迷ってるの?アズちゃんは友達なんだよ?助けないでどうするの…?』
あたしの中の天使がそう言う。
そうだよね、友達なんだから助けなきゃ…。そう思った時に、あたしの中の悪魔が現れた。
『友達?今日なったばっかじゃん、あんたがアズサを助けたら、いじめの粉はあんたに降り注ぐんだぜ?それでもいいのかい?』
なんで…こういう時にあたしの中の悪魔と天使って出てくるのよ…
いじめられるのは嫌だけど…友達だもん。助けないと…
今日なったばっかだとしても、友達には変わりない…
あたしは天使のいうことに納得して、様子を見る事にする…。
すると悪魔が
『ふぅん、お前が決めたんなら、それでいいんじゃねぇ?じゃあな』
あたしの中にいた悪魔は、それだけ言って、消えて行った。
それに続いて天使も…
『頑張ってね』
とだけいい残して、消えて行った。