いじめ―裏切りの連続―
あたしは、チャイムが鳴ると同時に屋上を後にした。
少し遅れて教室に戻ると、トビラをあけた瞬間皆がいっせいにコッチ見る。
まぁ、当たり前だろうけど…。
すると二年の担任の新垣に、お前進級初日に何やってんだ。と言われながらしぶしぶ自分の席へと歩いていく。
カタンッ…――――。
イスを引いて座るが、何かが物足りなく感じる…、
そう、それは目の前にあの子の背中が見えない事…。アズちゃんの背中はあたしの前の席にはなかった。
きっと保健室に行ったのだろう…、あたしはずっとそう考えていた。教科書配分がされ、アズちゃんの一個前の席に座っている子が、一生懸命手を伸ばしてあたしに教科書を届けようとしている。
あたしも手を伸ばして受け取る…。
あたしは机にずっと絵をかいていたが、アズちゃんのあの顔と、目が脳裏に焼き付いて離れなかった。
特に泣き叫んでいるわけでもなく…、なにもない、ただ目にいっぱいの涙を溜めコッチを見ているあの顔が…あたしの頭から離れてくれなかったのだ。
あたしはずっと、アズちゃんが教室に戻ってくるのを2時限、3時限と、ずっと待っていたが、アズちゃんが今日、この教室に戻ってくることはなかった。