*恋の味[下]*
−翔Side−
めんどくさいことになった。
一方的に切られた携帯を閉じ、握りしめた。
クソッ!
あのとき俺が、すぐに真麻を奴らから隠せばよかったのに……!
俺のせいで巻き込んだ…!
ごめん、真麻。
俺は無事と守ることしかできねぇよ。
俺の事情でチームを動かすにもいかない。
ましてや、奴らは蘭王の次。
……――銀王。
もとは、仲がよかったんだ。
そして、周りからは“四天王”と呼ばれていた。
蘭王・銀王・龍王・鬼王の4チーム。
だが、蘭王・龍王の2チーム、銀王・鬼王の2チームと分散されてしまった。
それは、4代目くらいから。
真麻の男と話がついたら一度、蘭王の倉庫に戻ろう。
そう決めて、真麻の方へ戻った。
すると頬を膨らませながら、
「おっそーい!」
と叫んだ。
それを素直に可愛いと思ってしまう。
「ごめん、ごめん」
両手を顔の前に合わせて言うと、笑いながら「今度パフェ奢ってよね〜」と言うもんだから、不意にもドキッとして顔が少し赤くなるのが自分でも分かった。
男がよってくるの、分かるよと心の中で呟いた。
「彼氏さん、もうすぐ来るよ」
「え、なんで?!」
驚く顔も可愛いな…。
あー!俺異常か?!
「秘密〜」
俺は、真麻が彼氏のことで赤面やらするのがみたくなかったのか、秘密と言ってしまった。
真麻の男、ごめんよ。