*恋の味[下]*
翔は公園に残るらしく、ベンチに座ってポケットから煙草とライターをとりだした。
なんでこんなに悪くなったのだか……。
今度聞いてみよ!
あ、でも秘密主義なんだった…。
自分の頭の中で葛藤していると、だんだん苛ついてきた。
「未成年が煙草吸っちゃダメなんだよー!」
大声で叫ぶと、翔は目をこれでもかってくらい開けてキョロキョロ周りを見ながら煙草とライターを隠した。
その姿に私は爆笑してると、雷斗が頭を軽く叩いてきた。
「いった!頭われた!」
「グロいこと言うな!」
……どうやら、グロ系が怖いらしい。
弱点みぃーっけ!
ニヤニヤしていると、
「未成年が煙草だと?!おい、珍しく俺らが仕事を見つけれたぞ!」
「おう!探すぞ!」
……警察?
声のする方を見ると、約10メートル先に警察官がいる。
あーあ…。しかも、この人たち暇人らしいから、捕まったらめんどくさそう。
あ、あたし悪くないもん!
正義の言葉を言ったんだからね!
未成年で煙草吸うほうがダメなんだからね!
………まぁ、仕方ないし、優しい私だから、謝ってあげよう。
私は翔に「ドンマイ」とテレパシーで伝え、私たちは公園から出た。