*恋の味[下]*
「俺は真麻を信じることにした。だから真麻も俺を信じろ」
信じる…か……。
私は信じれてなかったのかも。
不安が募る一方で……。
大事な“信頼”を忘れていた。
だから、1人で抱えこんで1人で問題としていた。
なら、今までの全ては私の勘違い?
冷たいのは……気のせい?
それを悟ったのか、雷斗は笑いながら言った。
「俺、不器用だからよ。愛情とか嫉妬心とか……うまくできねぇのよ」
理解しにくいなぁー。
「例えば、お前が浮気したとする。その浮気現場をちょうど俺は見た。で、結局浮気しただろ?とか聞けなくて、次の日から部屋で監禁とか、今から誰とどこで何時まで遊ぶか聞く。……とまぁ、こんな感じだ」
…………なるほど。
微妙に分かったと思われます。
「…こんな俺でも、一時も離れたくないくらい好きすぎるんだよ、お前が」
少し顔を赤らめながらも、とてつもなく恥ずかしい台詞をサラッと言う。
……言うもんだから、こっちが恥ずかしくなるじゃまいか。
あ、間違えた。じゃないか。
「ん、分かった」
学年1位ってこともあるし、だいたいのことは理解できた。
恋って不思議。
愛って不思議。
私はばれない程に小さく笑ってボケーっといていた。
雷斗を信じよう。
雷斗自身を信じてみよう。
だって、“愛し”だから。