*恋の味[下]*
雑談をしていると、いつのまにか数十分たっていた。
もうすぐでラーメン屋につくらしい。
「思ったより遠いな〜…」
ポロッと口から出た小さい声は、雷斗には聞こえたよう。
「痩せるぞ?」
………。
コイツ殴っていいでしょうか?
ニヤッと笑いながら、私の腹を触ってきた。
「変っ態!」
バチンと頭をおもいっきり叩くと、
「いっでー!」
かなり痛かったらしい!
いやぁ、乙女の腹触るなんて、セクハラセクハラ。
変態ジジイが……。
冷ややかな目で見ると、奴は笑いはじめた。
「女のくせしてあの力……ぷっ…!」
……まだ懲りてないのか。
次は足をおもいっきり踏もうと思い、踏もうとしたら避けられた。
「二度もやられませんー」
ムっ……ムカつく!
「変態ジジイ!二重人格!オッサン!」
「おいおいおい」
懲りたか?
「ついた」
………ダメだ、コイツ。
ほんっきでダメだ。
最低ジジイの頂点レベルだ。
手を振り払い、ズカズカ歩いていく。
後ろで謝罪の言葉が聞こえるが、無視。
ドアの前まで来ると、1かい深呼吸する。
「ふー」
よし!
“ガラッ”
「こんばん……わ…」
な、なんだココ。