青春時計
「あ,あそこ奏太いるぢゃん!!」

突然沙羅が廊下からD組の教室の中を指さした

沙羅の指の先には

沢山の友達と一緒にくしゃくしゃの笑顔で笑う奏太の顔があった

奏太の顔は

高く昇った太陽に照らされていて

とてもまぶしかった


「ほんとだあ///奏太だ♪」

「ほらあ,話かけにいっちゃお!!」

沙羅と奈々が騒いでいるなか

あたしは奏太から目が離せなかった

奏太はまるで暗闇の中を明るく照らしている

あったかい光のようだった

あたしはしばらく彼の顔を遠くから見ていた


「菜、―…紗あ――菜!!」

「あっごめんごめん。なんかボーっとしてた」

沙羅のあたしを呼ぶ声であたしは目を覚ました

「も―奏太見てたんぢゃないの?奏太のこと好きにならないでよお」

奈々は冗談交じりに笑いながら言った

「だ、大丈夫だよ!!あたしは奈々の恋を応援するよ♪」

「ありがと―紗菜」

あたしは紗菜に飛びっきりの笑顔を見せてピースをした
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