青春時計
第2章

告白

「ただいまあ―」

「あ、紗菜お帰り。ご飯できてるから食べなよ」

「ありがとお姉ちゃん」

あたしの家はお父さん、お母さん、お姉ちゃん、あたしの4人家族だけど

お母さんもお父さんも共働きで遅くまで帰ってこない

中三のお姉ちゃんが晩ご飯をいつも作ってくれる

お姉ちゃんの名前は紗依(サエ)とても頼りになる



あたしはいつものようにお姉ちゃんと一緒にご飯を食べていた

「そお言えばさあ、お姉ちゃん向こうの彼氏とうまくいってるの?」

お姉ちゃんは前の学校に彼氏が居る

一度家に来たことがあったけどすごくかっこよかった

「あたりまえぢゃん♪離れていても心はひとつだから」

「ふーん」

あたしは自分で聞いておいてなんかどうでもよくなったから

ご飯のオムライスをほうばりながら適当な返事をした

「紗菜は?」

「へ?」

お姉ちゃんはスプーンを止めて真剣な目で聞いてきた

「紗菜は好きな人いないの?」

「そ、そんなの居ないよ!!!」

「そおなの?」

「そ、そうだよ」

あたしは残っていたオムライスを急いで口に含んだ

「ごちそうさま」

あたしは逃げるようにその場を去って自分の部屋に行った
< 16 / 72 >

この作品をシェア

pagetop