青春時計

「ああ―最近部活忙しくて優にあってないんだあ...」

5月の半ば

あたし達は昼休みに窓際の奈々の席のあたりで

日向ぼっこをしながら話をしていた


突然沙羅が優という名前を口にした

あたしは不思議に思って聞いてみた

「ねぇねぇ,優ってだあれ?」

すると奈々から意外な返事が返ってきた

「そっか、紗菜は沙羅の彼氏のこと知らないもんね」


か…かれし?


あたしの頭の中はハテナが沢山とんでいた


「ぢゃあ,話すね紗菜,沙羅ね優って言う彼氏がいるの。小学校6年生の春から

付き合ってるんだけど,優は私立の中学校いっちゃって最近逢ってないの…」


おつきあい?


「沙羅,優に逢いにいっちゃえょ!!」

「も―奈々、簡単に言わないでょっ」


沙羅に彼氏が居たなんて・・・


まあ,そりゃあ可愛いしあたしが男でも確かに惚れるかも


沙羅に彼氏が居ると知って急に遅れを感じた


「ね、ねえ、今1年の中で誰かと付き合ってる人どのくらい居るかな?」

あたしは怖くなって聞いてみた

「ん―男女合わせて30人くらいぢゃない?」

奈々の淡々とした返事

「まぢで!!??」

あたしの学校の1年生は80人だから…


「みんな結構恋愛してるよねえ―」

沙羅が幸せそうに言う


あたしの焦りは最高超に達した
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