とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
「俺…また忍の事を好きになった!
しかも今回は…なんつーか略奪した感じ?」
「…はぁ?」
「“俺”から忍を奪いとった感じ!」
そう言う右京に忍はプッと吹き出した。
「なにっそれ!意味わかんない!」
「しかもさ~同じ女にまた恋してさ~…」
右京は喋りながら忍の頬をそっと撫でる。
「…で同じ女に愛されるって凄くね?」
「得した気分!」と笑う右京に忍もクスクスと笑った。
「また…彼女になってくれる?」
忍はまだ笑いながらコクコクと頷いた。
「仕方ないから付き合ってあげる!…右京は私にしか恋出来ないみたいだし…」
右京もクスクスと笑いながら「やった!」と無邪気な笑顔を見せた。
「まさかそんな告白されると思わなかった!」
「二度目の告白はどぉ?」
「…悪くないわ…」
右京は「良かった」と微笑んで忍を引き寄せた。
そしてまた…
…キスの途中で忍は右京の“告白”を思い出して笑った。
◇◇◇◇◇◇◇◇