とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
“人間”
仕事から戻って来た右京とユーリはやけにテンションが高かった。
その様子にミーシャは思わず『飲んでるの?』と聞いたくらいだ。
『一体何があったの?』
『実はウキョウが…』
『だぁ~~~!何でもない!』
真っ赤になってユーリの口を手で塞ぐウキョウにミーシャは眉を寄せた。
『なんだよ、隠すなって!いい加減白状したらどうだ!?』
『絶対しねぇ!つか何を言わせたいんだよ…』
『なにって…ナニについてだよ。決まってだろ!?』
右京に絡むユーリを不審そうにチラチラと見ながら夕飯の用意をする。
さっぱり何の話をしているのか判らない。
凄く気になるけどそれ以上聞けなくてミーシャは聞き耳を立てた。
『何の話をしてんの?』
コーディがうるさく騒ぐ二人にそう問い掛けた。
ミーシャは心の中でコーディに“ナイス!”とエールを送る。
二人はコーディを見てから顔を見合わせる。
『…お前にはまだ早い…』
『ん…コーディにこの手の話は…ないな。』
即時に却下されてコーディは『ずるい』を連呼した。