とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
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酒場までの道を歩きながら『ウキョウから飲みに行こうだなんて、始めてじゃないか?』とユーリは呟いた。
『ユーリが弱すぎて誘えなかったんだよ!』
右京が冗談混じりに言うと彼はクスッと笑った。
『ミーシャの事だろ?』
察していたらしいユーリは『何かやらかしたか?』と右京を見た。
『さっき忍の事聞かれたんだ。』
そう言って通り掛かったウェイターにビールを注文してカウンターに着いた。
『別に隠すつもりないから普通に答えたんだけど、まずかったかなぁと…』
『甘いな…ガツンと言ってやればいい。』
『相手がミーシャじゃなかったら言ってるよ。彼女はいい子だから言いづらい…』
右京の言葉にユーリは身を乗り出す。
『んな事言ってられんのも今だけだぞ?アイツ…何かヤラかすよ、きっと…』
『まさか!考え過ぎだろ~』
『判ってねぇなぁ~!…まぁウキョウとシノブなら大丈夫だとは思うけど…』
『…頼む…その話はヤメテ…』
赤面する右京を見てユーリはニヤリと笑う。
今日はずっとこの調子だ。
というのも、あの泉で忍と一緒に居るのを見られたのが原因だ。