とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『俺…ずっと忍一筋なんだ。』
『…ずっと?ホントに?』
『ん。嘘なんかつかねーって!』
『浮気とかもないの?』
『浮気する必要ないだろ?俺が好きなのは忍だけだから…』
『…そんなに好きなの…?』
『ん。スゲー好き。忍しか興味ないし…』
…駄目だ…私の入る余地がない…
『だから、ミーシャの初恋は応援したいんだけど…無理だよ。』
『…!?…知ってたの!?』
『ユーリから聞いた。ミーシャは…妹みたいな感じだから…』
『…やだよ…ウキョウ…』
無駄だと解ってるのに自分が止められない。
『やだ!ウキョウじゃないと…』
『…ミーシャ…ゴメンな…?』
椅子から立ち上がってミーシャの脇を通り過ぎる時、右京は彼女の頭をポンと撫でた。
ミーシャは衝動的に右京の背中に抱き付いた。
『…やだ…』
『…やだと言われてもなぁ…』
右京は首だけ後ろを向いてミーシャを困った様に見下ろす。
『ミーシャを好きになる事はない。…それで俺に何が出来る?』
『…“オンナ”にしてよ…好きにならなくていいから…』
右京が驚いてミーシャを見つめた。