とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
確かに以前、自分がこっちで生活していた時より治安が悪い気がした。
Axelから2ブロック先の通りでさえチーマー同士の殴り合いに遭遇する程だ。
それでも海外と比べれば全然平和なのだが…。
「“守護神”ねぇ…」
夜道を歩きながらポツリと呟いた右京に忍が「どうかした?」と首を傾げた。
「いや、俺は“守護神”になれるのかって思ってさ~。どっちかって言ったら“破壊神”の方がシックリくると思わねぇ?」
「うーん…でも護りたいって思うから汚れた役を買ってるワケでしょ?ならやっぱり“守護神”でいいんじゃない?」
「かなぁ…でもぶっちゃけさ~、“護りたい”とも思うけど“暴れたい”って思う自分も居るんだ。」
自分が暴れるのを正当化する為に“守護神”として役目を果たしてる気がしてならないのだ。
「いいんじゃない?それでも。右京らしいわよ。」
「いいの?お前の彼氏、いま爆弾発言したんだけど…」
忍は困った様に笑うと「構わないよ?」と右京を振り返った。