とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~



   ◇◇◇◇◇◇◇◇



早めにバイトを上がった右京は忍と一緒に夜道を歩いて帰る。



右京の隣で忍は「ホントごめんね」とひたすら謝り続けた。




「もういいって。別に忍が悪い訳じゃないだろ?」



「そうなんだけど…多分余計な事言ったんだと思う…」



「にしても女って怖いな~…」



「何が?」



「他人のセックスまで聞き出そうとすんのな!ビックリだよ…」



「女だけになると何でも話すもんよ…大半は愚痴だけど…」




右京はふーんと相槌をうちながら「忍は?」と顔を覗き込んだ。



「お前も俺の愚痴言ってんの?」



「さぁ~ね…言ってるかもよ?」



「げぇ~…ショックかも…」



「嘘よ。右京の愚痴なんて言ってないわ。だって不満なんてないもの。」



「…ホント?」



「優しいし、強いし、格好いいし…」



「…Hは上手いし?」




「なッ…!?…馬鹿じゃないの!?」




顔を赤らめる忍が可愛くてついついにやける。




「で?…なんであんな話になったの?」



「ん…実はね?クミが寛二君と別れたらしいのよ…」



「あ~…その話か…」



「知ってたの!?」




驚く忍に「知ってたよ?」と右京はシレッと答えた。




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