とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
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早めにバイトを上がった右京は忍と一緒に夜道を歩いて帰る。
右京の隣で忍は「ホントごめんね」とひたすら謝り続けた。
「もういいって。別に忍が悪い訳じゃないだろ?」
「そうなんだけど…多分余計な事言ったんだと思う…」
「にしても女って怖いな~…」
「何が?」
「他人のセックスまで聞き出そうとすんのな!ビックリだよ…」
「女だけになると何でも話すもんよ…大半は愚痴だけど…」
右京はふーんと相槌をうちながら「忍は?」と顔を覗き込んだ。
「お前も俺の愚痴言ってんの?」
「さぁ~ね…言ってるかもよ?」
「げぇ~…ショックかも…」
「嘘よ。右京の愚痴なんて言ってないわ。だって不満なんてないもの。」
「…ホント?」
「優しいし、強いし、格好いいし…」
「…Hは上手いし?」
「なッ…!?…馬鹿じゃないの!?」
顔を赤らめる忍が可愛くてついついにやける。
「で?…なんであんな話になったの?」
「ん…実はね?クミが寛二君と別れたらしいのよ…」
「あ~…その話か…」
「知ってたの!?」
驚く忍に「知ってたよ?」と右京はシレッと答えた。