とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~

英国、再び





   ◇◇◇◇◇◇◇◇



ウトウトと眠りにつく右京の胸板を撫でる忍の指がくすぐったい。



「…眠い…寝かせて…」



そう呟く右京に忍はクスッと笑うと首に唇を這わせた。



微かな甘い痛みを感じてうっすら目を開ける。



「…そこはやめてよ…見えたら恥ずかしい…」



「何処ならいいの?」



「ん~…何処でもいいや…もっと付けて…」




そう言って微睡む。



忍は右京の鎖骨と胸に痛みを残す。



もぞもぞと自分の身体の上を這い上がる忍の腰を、半分寝ぼけながら抱き寄せる。



唇に柔らかな感触…



最初は下唇を吸い…そしたら上唇を軽く舐める…。


忍の“口を開けて”の合図…。



可愛い忍の“おねだり”に右京は微笑むと黙って口を少し開けた。



忍の舌が自分の舌を探す。



「…ん…寝かせて…くれないの…?」




甘く…とろけるような…それを味わう。



そのうち色んな所を味わいたい衝動が沸き起こる。



─細く滑らかなこの首筋を喰ってみたい…



きっと甘くて旨いだろうなぁ…




そう思って忍の髪を掴んで引寄せ、首筋に咬み付こうと歯を立てた…。



“やめて!右京!”



   ◇◇◇◇◇◇◇◇


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