とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
つまりみんなの話をまとめるとこうだ。
師範が倒れたと言う報せを受けて急遽帰国した右京は、バイクで病院へ向かう。
その途中、事故に遭い病院へ搬送される。
右京が事故って運ばれた事を知った師範がショックで危篤状態に…。
その後病院で意識を取り戻した右京は一次的記憶喪失だということが判明…。
もう少しマシな理由が思い付かなかったのかと叔父に軽く殺意が沸いた。
“師範が危篤”の件は明らかに要らないし、あの妖怪がそんな事で危篤になるハズがない。
『ヨーダも人間だったんだな~』と染々言うジェイに何も言えなくなった。
『見た感じ変わりない様に見えるけど…どこを怪我したの?』
サラの問いに咄嗟に『せ…背中』と答えてしまい、右京はすぐに後悔した。
─バイクで事故って背中を怪我って、俺どんな状況だよ!?
だがサラは『そうだったの…』と、話の矛盾に気付かなった様で助かった。
その日一日でドッと疲れ、授業が終わりアパートに帰ると右京はベットに倒れ込んだ。
『…大丈夫かい?』
『ダメ…こんなに疲れると思わなかった…』
滅多に見ない右京の様子にニックは珍しいモノを見るかの様に覗き込んだ。