とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~

ベルセルク






翌朝、携帯の着信音で右京は起こされ、手探りで通話ボタンを押した。



『Hello?』と出た右京に「まだ寝てたの?」という恋人の声が聞こえて目覚まし時計に目をやった。



「…もう9時なんだ…昨日ニックと飲みに行っててさ…」



「珍しいじゃない、寝坊するなんて…飲み過ぎたの?」



「…かもしれない…昨日はかなり飲んだから…」



やけ酒とまではいかないにしても、相当飲んだ記憶がある。



「…忍に冷たくされたからさ~」



「私のせいにする気!?」




クスッと笑う忍に「そう!忍のせい~」と右京も笑った。




「まさか、女でも連れ込んでないでしょうね~」



「俺がそんな事…」




と言いかけた所でベットに誰かが寝ているのに気付いて固まる。




「…ちょ…ちょっとかけ直すわ…」




忍が何か言っていたが軽く混乱して携帯を閉じた。



バクバクとうるさい心臓の音を落ち着かせる様に昨日の記憶を辿る。



─確かクラブでニックと別れて、一緒に飲んでた金髪の女に口説かれたんだっけ…




『酔っ払って帰れない』とか『泊めて』とか言い出して、散々だった。



右京は金髪女の携帯を勝手に操作して、発信履歴の一番新しい番号にリダイアルした。




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