とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
家に着くまでコーディはアリスとの仲を必死に否定し続けた。
それをウキョウは楽しそうに『うんうん』と聞いていた。
『ウキョウ信じてないでしょ…』
『そんな事ないよ。コーディがアリスを嫌いじゃないのは判るし…』
『だーかーらぁ…』
結局ウキョウはコーディを軽くあしらうように会話をして、最終的には彼のヘソを曲げてしまったようだ。
『怒るなって!』
『何でウキョウも兄ちゃんと同じ事言うんだ!』
『ユーリもそう感じたからだろ?』
プリプリと怒るコーディにウキョウは『悪かったよ』と謝った。
『お詫びに今日はコーディの言う事を聞こうか…』
『…なんでも?』
『ああ、俺が出来る事なら。』
そう言うとコーディは目を輝かせた。
『じゃあ、バージに触りたい!!』
『…そんな事でいいのか?』
『うん!…俺、バージに嫌われてるみたいだし…』
そう言うコーディにウキョウは首を振った。
『彼女は人間が苦手なんだ。』
『ウキョウは平気なのに?』
『…そうなんだけど、別に悪気はないんだよ。』
そう言って空を見上げてバージを探したが見当たらない。
『またいつもの場所かな…後で一緒に行こう。』
ウキョウの言葉にコーディは白い歯を見せて笑った。