とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
そこで自分の背負った宿命について教えられた。
『お前は“ハンター”として試練を受けなければならない』
『“ハンター”…?』
そう首を傾げるクリスに牧師は“ハンター”について話し始めた。
この地方では昔から生まれつき“印”を持っている者を“ハンター”として育てているらしかった。
『その“印”は身体の一部にある紋章が刻まれている。』
『“紋章”…?僕にも?』
クリスがそう聞くと、父親は彼の腕を掴んだ。
手の甲にある生まれつき妙な形をした白い“シミ”…
『間違えなくコレがその“紋章”だ。』
見慣れたそのシミを眺め、あまり実感の沸かないクリスに牧師は“ハンター”について語った。
そのハンターは“クルースニク”と呼ばれ、村や街を護る役目をする。
『お前は“敵”についても学ばなくてはならない。』
そう言われてその日から毎晩ありとあらゆる“敵”について学んだ。
学校では教えてくれないそれは、クリスにとって楽しいものだった。
だが、ただ学んだだけではハンターとしては不十分で、週に一度だけ実技を学んだ。