とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




『判った…判ったから脱ぐな!!』




右京は溜め息をついてバジリスクに何と言うべきかを考えた。




『バージ。君は女の子なんだから少し恥じらいを持つべきだよ。』



『ハジライ?』



『ん。人前で服を脱いじゃだめ。』



『マスターは脱ぐじゃないですか…』



『俺は男だからいいの!』



『…面倒くさいですね…』




右京はハニカミながら、あまり納得いかない顔のバジリスクの頭をポンポンと撫でた。




『で?気に入った服はあったか?』



『はい。Tシャツというものはとても機能的で気に入りました!』




…えっ?そういう意味?




右京はクスクスと笑いながら『よかった。』と言うと、バジリスクもニコニコと笑った。




『それより、ハニエル様より伝言を預かってます。』



『ああ、すっかり忘れていた。奴は元気だったか?』



『はい。マスターに会いたがっていました。』




…だろうな…




『残念ながら黄泉の門から離れる訳にはいかないのでこちらには来れませんが…』



『だな…。バージみたいな優秀な部下が居れば別だが…』




バジリスクはそう言われて照れもせず『そうですね』と頷く。



『リサ殿はそういう意味では役に立ちませんから…』



『…リサって誰だっけ?』




『ハニエル様の恋人の様です。』




右京はいまいち思い出せなくて『ふーん』と曖昧な返事をした。




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