とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




灰と化す屍を跨いでクリスは『油断するな』と右京を睨む。




『予想異常に動きが早かった…』




『“クドラク”だったらもっと早い。気をつけろ。』




右京は『はいはい』と返事をしながら日本刀を抜いた。




辺りはクリスの言った通り、正にストリゴイの“群”だ。



クリスは鮮やかに二丁の拳銃を操って確実にストリゴイを灰にしていく。



右京はクリスの背後に回ると足下から風を巻き起こす。




ストリゴイが警戒して一瞬動きが鈍くなった。




その隙を右京は見逃さない。




─躊躇ったらヤられる…




『悪く思うなよ…!』




すかさずストリゴイの懐に飛び込むと迷わず首を跳ねた。



右京は顔に浴びた返り血をペロリと舐める。




『…まっず…』




休む間もなく飛び掛かって来るストリゴイ。



クリス同様鮮やかな太刀捌きで次々とストリゴイを灰にしていく。




5~6体は倒しただろうか…。



二人で20体近いストリゴイを5分足らずで一掃した。



右京は刀をひと振りして刃に付着した血を飛ばす。




『…ロイ。まだ居るか?』




『…えっ?…あ…ああ、居ない…多分…。』




それを聞くと右京は刀を鞘へ収めた。




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