とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『そんじゃな、おっさん!気をつけて帰れよ~』
銀髪を書き上げて微笑むと青年は背を向けた。
それを見送ってアンダーソンも来た道を戻る。
『…化け物が出るって?』
そう言われればそんな気もしてくるから不思議だ。
“化け物”ってなんだろうかと考えた時、さっきの色白の青年が頭に浮かんだ。
─化け物の正体がアレか?
もしあの青年が“化け物”だとしたら、銀髪の青年に助けられた事になる。
『…フンッ…馬鹿らしい…!』
アンダーソンは薄くなった頭をガシガシと掻きながら笑った。
ダンが言った通り、首を突っ込まない方がいいかもしれない。
『“探偵”は“探偵”らしく…てか?』
─うん…そうだな。
居なくなった少女達の失踪事件も警察に任せよう。
自分は自分らしく。
“探偵アンダーソン”として出来る事をやればいいじゃないか。
やっとそんな気になれたのだった。
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