とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
ギュッと腕の中に閉じ込めて彼女の耳元で「ごめんね」と囁く。
忍は悔しそうにちょっと涙を流していたけど、右京は嬉しくてつい笑みが溢れる。
「なに笑ってんのよ!」
「ごめん…だって…フフフ」
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」
怒って自分の胸をポカポカ叩く忍に、右京は耐えきれず声を上げて笑い出した。
「なんでお前そんな可愛いんだよ。」
「ごっ…誤魔化すな!」
「判ったから黙れよ…」
抵抗する忍を強引なキスでねじ伏せる。
その心地よさに忍が次第に吐息を漏らし出したのを確認してから唇を離す。
「…忍をめちゃくちゃにしたい。」
「嫌よ。」
そんな可愛くない事を言いながら忍は右京の唇を塞いだ。
─返り討ちにしてやるんだから!
縺れ合いながらベットルームまで移動する二人。
押し倒されたのは何故か右京で「あれ?」と間抜けな声を出す。
「まっ…なんで俺が!?」
「私を怒らせたのよ?…覚悟しなさい。」
「ちょッ…!!ぅあ…ッ待って!…」
結果、朝になってもベットから起き上がれない程めちゃくちゃにされたのは右京の方だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇