とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『もう一人のじゃじゃ馬はまだ戻ってないか?』
『バージならさっきもうすぐ帰るってシンディから連絡来たよ。』
『え…!?あのバージが人間と居るの!?』
『シンディには何かなついてるんだよ…』
忍は『いいな~』と言いながら右京の隣に腰を下ろした。
『じゃあ、その間にP2にちょっと行って来る。』
立ち上がった右京にニックは『これもよろしく』と小型カメラを投げた。
それを受け取って右京は忍にコーヒーマグを手渡した。
「ちょっと待ってて」と忍のこめかみにキスを落とすと部屋を出て行った。
『相変わらずシノブにベッタリだね…昨日は久しぶりに二人きりだったんだろ?』
『…あ~…途中で“蚊”が…既に思い出したくない出来事ですよ。』
そう言う忍にニックは『蚊?』と首を傾げるのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
モニターを見ていたロイが『来た』と呟くとアランが顔を上げた。
『…どうだい?』
『良好だ。』
ロイの言葉にアランは満足そうに笑った。