とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
入口から入って来た右京にアランは微笑んだ。
『モンスターは絶好調だった!』
『その様だね。マンチェスター大聖堂はどうだった?』
『あ~無駄にでかかった…って何で知ってんだ?』
リッチフィールドに行くとしか話してないのにマンチェスター大聖堂と言われ、右京は眉を寄せる。
クスクス笑うアランとロイを交互に見てハッとした。
『…まさか…ドゥカティ!?』
『正解!我ながら見事な追跡システムだったよ!』
大口を開けて笑うロイを見て右京はガックリと項垂れた。
『気前が良すぎると思ったんだよ…』
『クロウ…人聞きの悪い言い方はよしてくれ。』
『なんで俺ばっか…』
『やだなぁ、クロウだけじゃないよ。』
シレッとそう言うアランに右京は『へ?』と間の抜けた声を出した。
『小型カメラ。クロウが持ってんだろ?』
─これもかよッ!?
『流石にアメリカだとタイムラグがでかかったな~…』
『ジャックした衛星の問題じゃないか?』
『いや、でもジャックするならロシアのが一番都合が…』
唖然として二人の会話を聞いていた右京は微かに目眩を感じた。