とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~



つまり、ロイの組んだ追跡システムのテストに自分とニックは使われていたのだ。




『…言ってくれれば良かったのに…』




『言っちゃったらつまらないじゃないか。』




『あー…そーっすね…』




右京はそんなアランを見て“鬼”という言葉が脳裏に浮かんだ気がした。




『収穫はあったかい?』




『いや、目立ったのは…でも色々と気になる事があるんだ。』




『それについては夜聞こう。招集をかける。』




右京はアランに忍が参加したがっている事を告げた。




『…流石にここは教えたくないし、人数が多すぎやしねぇか?』




『そうだね。俺もロイと同意見だ。…“伯爵邸”にしよう。』




アランの言う伯爵邸がクドラクの住処なのは直ぐに判った。



だが、あそこは先日不審な中年男性がうろついていたばかりだ。




後から聞いた話では、その男性は元刑事でおまけにダンの先輩だった。




しかも輸送車強盗を担当した刑事でその事件を最後に定年退職してる。




そのまま大人しく老後を送ってくれれば良かったのだが、彼は“探偵”として第二の人生をスタート。




伯爵邸で右京と会った時も失踪事件の調査だったとか…。





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