とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『あのおっさん、大丈夫なのか?』




『ダンが頑張って裏で動いてくれたからね。』




『ならいいんだけど、あの時だってヤバかったんだぜ?クドラクなんて目を白黒させちゃってさ~…』




そう言うとアランはメガネを押し上げながら頭を振った。




『同じ事を何度も言いたくないが…それはクロウのせいだよね?』




右京は雲行きが怪しくなり出した事に気付き視線を逸らした。




目の前のインテリメガネは『いいかい?』と説教モードに突入する。




『君がクドラクを仕留めなかったお陰で彼の監視という仕事が増えたんだ!』




『だって…!べ…別に悪い条件じゃなかったろ!?』




『確かに条件は悪くない。問題は相手が“吸血鬼”って事だよ!』




ビシッと指を突き付けられ、右京は思わず怯む。




『おまけにあのクドラクまで誘惑したそうじゃないか!』




『待て待て待て!今の言い回し、おかしくねぇ!?』




『何が!?』




『俺は“誘惑”してねぇって!』




『クロウ…バンパイアの吸血行為って、人間のアレと同じらしいぜ?』




─マジで-ーーーッ!?




ロイは『ご愁傷様』と胸の前で十字を切った。




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