とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
そういえばクドラクが前に“吸血鬼は悪魔の指示で動いている”と言っていた。
もし、狼男…もとい狼人もそうだとしたら?
『アラン…俺、ヤバイの取り逃がしたのかも…』
『かもしれないね。…クロウ、P2に戻って君が遭遇したヤツがなんなのか突き止めてくれ。多分ダンの方が詳しい。』
『オーケー。…こんな時に人員不足なんてツいてない…』
…はぁ…課題は時間かかりそうだな。
肩を落としながら立ち上がった右京にアランが少し笑った。
ドアに手を掛けたところで右京は思い出した様にアランを振り返った。
『俺の携帯…盗聴機はついてないよね?』
『残念ながら付いてないよ。』
『付いてたら楽しそうだね』と微笑むアランを見て右京は“聞かなきゃ良かった”と後悔するのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
『それ…“バフォメット”かもしれない…』
右京の話を聞いたダンはほぼ即答でそう言った。
『山羊の頭をした悪魔なんて意外といるだろ?なんで“バフォメット”だと?』
『まず2mを超える悪魔で山羊のような角を持つヤツは“バフォメット”と“ディアボロス”だけだ。』
ダンは回転椅子を軋ませながら右京を正面から見据えた。