とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
右京は綺麗でどこかミステリアスな眼差しをアランに向ける。
─この男は自分の魅力に気付いてないんだろうな…。
そんなどうでもいい事を考えながら彼の話に耳を傾けた。
『マイク達に飲みに誘われた。』
『いつもの事だろ?』
『いや、今回はジュリアが来るんだ。』
『ジュリアってこの前バフォメットに遭遇した子か…』
『…似てるんだ、忍に…』
『そうか。…で?』
『これは浮気か?』
『…………はぁ?』
腐ってる原因があまりにもくだらなくて思わず間の抜けた返答をしてしまった。
『だ…だから!!これって浮気になるのか?』
『いや…浮気ではない…と思うが…』
アランの言葉に表情をパアッと明るくして『そうだよな!』と答える右京に吹き出した。
『ホントに可愛いな、クロウは…』
『茶化すなよ!俺の中では重大な事なんだって~』
─まったく…見てて飽きない男だ。
アランはそんな右京を気に入っている。
ちょっと…いや、かなり危険な男なのだが、それも右京の魅力を引き立てているんだとアランは思う。