とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




『浮気は後で好きなだけしてくれ。とりあえず今は作戦会議が先だ。』




『しねぇから!!』




ムキになってそうそい言う右京を放置して戻ると彼は『ホントだぞ!』と言いながら慌ててついて来る。




意外と単純だ。




だが会議になると彼はスイッチを切り換え、そつなく任務を遂行する。




迅速且つ鮮やかに…




アランの期待に応えられなかった事はほぼゼロに近い。




最近人間味が増してきて忘れがちだが、そういう一面を見ると彼が人間ではないのを思い出す。




そして“今日もそれが見れるだろうか”と期待しながらアランは口を開いた。




『警察無線の傍受でモンスターの目撃例が増加しているらしい。』




『ついに動き出したか…』




『だが、目撃例だけで被害は出ていない。今回は警察が動く心配はないだろ。』




そう話すダンに皆が頷く。




『その代わりマスコミがそのネタに食い付いてる。その点には注意が必要かもな。』




『なるほど…了解した。』




『よって、今回はダンが無線傍受。クロウはスタンバイして目撃情報があればすぐに直行だ。』




待ってましたとばかりに目を輝かせる右京にアランが微笑んだ。




< 359 / 461 >

この作品をシェア

pagetop