とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『浮気は後で好きなだけしてくれ。とりあえず今は作戦会議が先だ。』
『しねぇから!!』
ムキになってそうそい言う右京を放置して戻ると彼は『ホントだぞ!』と言いながら慌ててついて来る。
意外と単純だ。
だが会議になると彼はスイッチを切り換え、そつなく任務を遂行する。
迅速且つ鮮やかに…
アランの期待に応えられなかった事はほぼゼロに近い。
最近人間味が増してきて忘れがちだが、そういう一面を見ると彼が人間ではないのを思い出す。
そして“今日もそれが見れるだろうか”と期待しながらアランは口を開いた。
『警察無線の傍受でモンスターの目撃例が増加しているらしい。』
『ついに動き出したか…』
『だが、目撃例だけで被害は出ていない。今回は警察が動く心配はないだろ。』
そう話すダンに皆が頷く。
『その代わりマスコミがそのネタに食い付いてる。その点には注意が必要かもな。』
『なるほど…了解した。』
『よって、今回はダンが無線傍受。クロウはスタンバイして目撃情報があればすぐに直行だ。』
待ってましたとばかりに目を輝かせる右京にアランが微笑んだ。