とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




「課題は終わったの?」



「今日提出してきた。やっと合流出来るよ。」




「良かった。こっちも一通り調査終了したから近いうちローマに向かうわ。」




「ニックからの入電で聞いた。この分ならローマで落ち合えるか…」




「ロマンチックだな?」なんて言う右京が好きだ。




電話を切ってそのままソファーで目を閉じる。




「…右京…早く会いたい…」




ポツリと呟いた忍に潤が困った様に笑った。




「それ、ちゃんと本人に言ってあげればいいじゃないですか…」




「いやよ…恥ずかしい…」




そのまま眠ってしまったらしい忍を見て潤はそっと抱き上げた。




ベットに寝かせて忍の寝顔を眺める。




無防備な忍の頬を撫でて微笑む。




そして実感する。




今日も彼女を守れた事を…。




自分が忍を甘やかし過ぎなのも自覚しているが、この幸せそうな寝顔を見るのが自分の楽しみになっているのだ。




「おやすみ…また明日…」




いつものようにそっと忍の額に口づけて…




いつものように部屋を出ていった。





   ◇◇◇◇◇◇◇◇



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