とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『なんだっていいじゃないか。』
興味なさそうにそう言うアランをロイは半眼でジッと見つめた。
『前から気になってんだけど、お前って女に興味ねぇの?』
『そんな事ないよ。ただ俺に言い寄って来る女には興味ないだけだ。』
─なるほどね…。
おそらくアランは資産家だ。
言い寄って来る女は金目当てがほとんどなんだろう。
『利用はさせてもらうけどね。』
『……』
『……』
返答出来ない右京とロイにアランは『どうした?』と首を傾げた。
─コイツだけは敵に回したくねぇ…!
そう思いながらも『…なんでもない』と答える。
ロイはゴロゴロと椅子を滑らせて右京に顔を近付けた。
『良かったな…お前よりおかしいのが居た。』
『俺、怖くて目が見れねぇよ…。』
『心配すんな。俺もだ。』
コソコソと話す二人に『ところで動きは?』と聞かれて思わず飛び上がる。
『バフォメットは各地を転々としてる。…だがどれも数分で消えるから多分被害はないだろ。』
『そうか。』
またPCに向うアランを見て胸を撫で下ろす。
『…帰ろ…』
『なっ!?お前、俺を置いてくつもり!?』
本気で焦るロイにニッと笑って立ち上がった。