とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




え!?と同時に振り返った忍とニックに右京は半眼になる。




『普通に考えて居るだろ…』




『居なかったわよ!』




『それは“お前ら”が見てないだけだろ?』




まだ理解してなさそうな二人に右京は彼を呼んだ。




『おい、潤!』





右京の声に反応して目の前に現れた魔方陣から黒い霧が立ち込めた。




『…お呼びでしょうか?』




『ノヴァ・スコシアで遭遇した狼人はどのくらい居た?』




『そうですね…100前後でしょうか?』




『嘘…!?本当なの!?』




『はい。』




当たり前のように答える潤に二人はあんぐりと口を開けて唖然とする。




『クリスはどのくらい狩った?』




『持ってった銀弾を全て撃ち尽くした。200は軽く越えてた。』




─アカディアで100…ギリシャで200か…




『イギリスには山羊が居た。』




『聞いたわ。“バフォメット”らしいわね?』




『狼人はバフォメットの配下らしい。』




右京がクドラクの話をしようと口を開きかけた時、『その事だが…』とアランの声が聞こえた。




どうやら通信回線が開いたらしい。




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